鳥海山 扇子森(1759m)、笙ガ岳(1635.3m) 2011年8月21日

所要時間 5:22 鉾立登山口−−6:41 御浜−−6:54 扇子森−−7:06 御浜−−7:57 笙ガ岳−−8:40 御浜−−9:33 鉾立登山口

概要
 象潟口(鉾立)より往復。悪天が予想されたが行きに僅かに降られただけで助かった。雨の予報でも鳥海山を目指す登山者が多数いた。笙ガ岳へのルートは多少道が薄いが藪漕ぎということはなくロングスパッツで草の露を避けるだけでOKだった

 鳥海山は10年以上前に滝の小屋から登ったことがある。この時は山頂部をまとめて登ったが、西側の山腹にあるピーク群は未踏であり、標高もそこそこ高く夏でも涼しいと思われたので今回登ることにした。ただし、天気予報は最悪で山形北部〜秋田の降水確率は50〜70%、たぶん雨の中を登ることになるだろう。ただ、100名山の鳥海山なので登山道は立派で体に触れる籔は無いだろうし、登山道の幅は広いだろうから風さえなければ傘が使えるだろう。たまには傘をさして登るか。

 国道7号線を北上、鶴岡、酒田を抜けて鳥海ブルーラインに入って高度を上げていく。当初は山形側の吹浦口から登ろうかと考えていたのだが、現場に行くとトイレが無い小さな駐車場だけしかなく、もう少し先の秋田側の鉾立登山口に向かう。こちらは大きな駐車場と立派なトイレ、売店があり、鳥海山登山の主要な登山口らしかった。もう夕方で駐車場の入りは3割程度、このうちどれくらいが鳥海山登山者だろうか。駐車場の案内標識によると登山者用駐車場は売店から離れた2か所であり、今回は高台の駐車場に車を入れた。展望は良好で晴れていれば日本海に沈む夕日が見えるだろうが、今日は雲が多く日没を見ることはできなかった。

登山者用駐車場。高台にある 駐車場から見た鳥海山山頂部

 翌朝、4時前に起床すると雨。周囲はまだ真っ暗だし、意気消沈して2度寝。明るくなって再び起きると雨は上がっていた。このまま雨が降らないとは思えないが、多少の雨は覚悟の上なので飯を食って出発。ゴアと傘の準備は怠らない。ロングスパッツもだ。鳥海山を目指すザックカバーをかけた登山者の姿がチラホラ見られた。雨の天気予報でもこれだから、好天の週末は大賑わいだろう。

象潟登山口 案内標識
最初はコンクリートの階段 TDK管理の山荘
展望台入口 展望台
展望台から見た鳥海山

 登山口からコンクリートの階段の登山道が始まり、TDKが管理する山小屋を通過し尾根上の展望台に達すると土の登山道に変わる。えらく広い登山道で軽自動車が走行できそうな幅だ。ここでパラパラと雨粒が落ち始めるが、まだ雨具は必要ない程度なので我慢してそのまま歩いた。前方を見るとゴアを着たカラフルな登山者の姿も見えた。この程度の雨で済んでくれるといいのだが。念のためすぐ取り出せるようにザック脇に傘を移動しておく。幸い風は無く傘が使えそうだ。

尾根上を行く 広い尾根の北側をトラバース

 象潟コースは全体的に傾斜が緩やかで、夏場でも今日のように曇っていてオホーツク海側の高気圧が張り出した状態ならば大汗をかくことはなく助かる。スキーだとちょうどいい傾斜だろう。少し登るだけで高い木は皆無、大型連休辺りだと一面立木が皆無の真っ白な斜面となっていると思われる。北側が崖になった尾根が終わると登山道は尾根を外れて北側を巻くように登っていく。以降は御浜まで緩斜面をトラバースする登山道が続く。

ザックカバーがカラフルな登山者 賽ノ河原

 途中、小尾根を越えて僅かに下ったところが賽の河原らしい。この付近で雨の降りが少し強くなってきたので傘の登場。周囲の登山者はゴアを着ている人、雨対策無しでそのまま登っている人もいたが傘を差しているのは私だけだった(当たり前)。でも傘は蒸れ皆無で夏場にはとても便利なアイテムであり活用したい。森林限界を超えた場所では日傘としての利用価値も高い。日差しで暑すぎるときなど、傘の下で昼寝すると快適だ。

立派な登山道が続く 御浜小屋と大平方面分岐
御浜小屋 小屋東側の広場。休憩地となっている
円形の鳥海湖 扇子森山頂
扇子森から見た笙ガ岳

 さらに緩やかに登っていき、傾斜が緩むと御浜だ。ここで笙ヶ岳方面の分岐があるが、まずは扇子森の山頂を踏んでくることにしてそのまま進む。山小屋の前を通過、その先が平坦地となっており休憩にちょうどいい。眼下にはほぼ円形の鳥海湖。対岸の高まりは鍋森だと思うが登山道はなく潅木の藪で今回はパスだ。残雪期ならば簡単に登れそうだ。尾根に乗って緩く登り、だだっ広いピークに到着。ここが扇子森山頂だ。特に山頂標識は無く、さっきの場所で休憩したらここは素通りするだろう。ここまで来ると鳥海山山頂まで大して標高差は無いが、今回の目的地は山頂ではなく扇子森と笙ヶ岳である。ここで逆方向に進路を変えて下り始める。今まで追い越してきた登山者は、山頂の山小屋を今朝出発した下山組と思うだろうか、それとも傘を差した姿を見て追い越された登山者と覚えていてくれるだろうか。

吹浦口方面分岐 稜線上ではなく西側斜面を巻く
浅い谷状地形を下っていく
笙ガ岳方向/吹浦口方向分岐 笙ガ岳方向へ登る

 たくさんの人が休憩する小屋東側を通過し、大平の標識に従って分岐を左に進む。登山道は尾根を外れて下り始めるが、ここで地図をよく見ればこの道とは別に尾根上に登山道があると気づいたはずだが、広い道に自然に導かれて吹浦口へと下っていった。この道は尾根上ではなく尾根西側を巻きながら下り、やがて浅い谷地形を進む。どこまで下ってから笙ヶ岳方面の分岐があるのかちょっと心配になったが、標高差で100mほどだろうか、お隣の小さな谷地形と合流すると笙ガ岳方面への登山道があった。よかったぁ。吹浦口から上がってきたのだろうか、先客の女性2人が笙ガ岳方面へ上がっていた。まさか笙ガ岳へ行くわけではなく鳥海山山頂だろうな。

鞍部の笙ガ岳方向/御浜方向分岐標識 鞍部から笙ガ岳方向
鞍部から見た鳥海山山頂方向

 2人を追い越して緩い谷地形を登り切ると鞍部に到着、ここに案内標識があるが古びて文字が読めない。まあ、地図を見れば分かるので問題ないけど。笙ガ岳方面の登山道は1段階グレードが落ちて幅が細くなり草が被るところもあり、ここでロングスパッツで足元を固めた。森林限界が続くので強固な藪は無くずっと草だろう。

1660m峰から見た月山山頂部(クリックで拡大)
1660m峰から見た月山 笙ガ岳へと南下する

 最初の小ピークは東から巻いてしまい、鞍部からまとまった登りにかかる。ここも草付きの気持ちいい斜面である。登りきったところが笙ガ岳かと思いきや標識類が一切ない。地図を見ると笙ガ岳はこの先の2段下がったピークである1635.3m三角点峰であり、最高点の1660m峰ではないことが分かった。残念。ここから山頂までは小ピークを越えて緩やかに下っていくことになる。森林限界を超えて邪魔物がない展望がいい尾根だが今日のような雲の多い天候では遠くの山並みが見えずに残念だ。それでもいつの間にか雨が上がり、鳥海山山頂部の雲が切れていた。

笙ガ岳山頂 笙ガ岳から見た南側
笙ガ岳から見た鳥海山

 三角点峰に到着、最高点には真っ赤に錆びて文字が見えない標識があったが三角点は見当たらなかった。私が持っていったのはエアリアマップで2.5万図ではなく三角点の正確な位置は分からず、後日2.5万図を見たら三角点は南西に少し下ったところに設置されていたのであった。これで本日の目的は完遂、雨がまた降ってくる前に下山しよう。

鳥海山山頂部。賑わっているだろうか 西側から見た鳥海湖。周囲に散策路あり
御浜へと続く稜線上の登山道 御浜合流個所
御浜から見た北側の展望

 御浜へは今度は稜線上を行ってみる。ちゃんとした登山道があったのだが1700m峰を越えて御浜小屋手前で鉾立からの登山道に合流する場所に出てみるとこれが分かりにくい。普通に道なりに行くと吹浦口への道に引き込まれてしまうのだが、稜線上に行くには薄い踏跡に従って露岩の方に登っていく必要があるのだった。まあ、尾根のてっぺんを歩くようにすれば問題ないか。森林限界を超えているし、植生は砂礫や草付きなので、適当に歩くことが可能だ。

眼下に鉾立駐車場が見える まだまだ登ってくる人が多い
白糸の滝 賑わう駐車場

 鉾立ルートに乗れば超1級の登山道、何の心配もない。どうやら予報と違って天候は若干回復傾向らしく空はやや明るくなってきたような。傘の出番は皆無、まだまだ登ってくる人が多い。このまま天候が持ってくれればいいけど。登山口に到着すると売店近くの駐車場は大賑わい、少し離れた登山者用駐車場はまだまだ空きがあった。

 

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